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老犬の介護でお悩みの方

認知症・無駄吠え・夜鳴きのお悩み

しぐさや行動の変化から早めの発見を

近年、愛犬の健康寿命の延伸の影響もあり、認知症、痴呆にかかるケースも増えています。
認知症は見た目の変化からの発見は難しいです。行動やしぐさに変化が無いかを見てあげてください。
認知症の対策として、まずならないよう若いうちからケアをするということが 重要です。
また、もし認知症になってしまった場合、症状によっては飼い主の生活との折り合いがつかなくなってきたり、近隣住民とのトラブルの発生もあります。
世話が困難になった場合は、老犬ホームへ預けることも選択肢の一つです。

認知症の予防について

認知症は発症すると症状の改善はほとんど期待できません。
認知症が発症するのは 13歳~15歳が多いといわれています。症状が出る前の段階にケアすることで、認知症の症状が出にくくすることも期待できます。

対策1: DHA・EPAを与える

DHA・EPAが認知症の予防への効果があるとされています。
DHA・EPAの多い食事を与えたり、サプリメントとして与えたりすることで認知症予防が期待されます。

対策2 :散歩やおでかけをする

脳に刺激を与えるのに、散歩やおでかけは非常に有効です。景色やにおいが変化することで 脳が刺激され活性化されます。
お散歩コースを変えたり、普段行かないところへおでかけに連れ出すのも効果的です。

対策3: 遊びなどのコミュニケーション

加齢に伴い活動量は減ってきますが、遊んだりスキンシップをとったりすることは脳に良い刺激を与えるだけでなく、パートナーとしての認知の再確認にもなります。
特に遊ぶことは、脳への刺激だけでなく、筋力低下を防ぐことにも期待が持てるので、老化防止に非常に効果的です。
遊びにくくなってきたら、トリーツを使った知育玩具やにおい付きのおもちゃで興味を引くことも有効です。
スキンシップも効果的です。認知症の症状で自分の名前や飼い主の認知ができなくなる子もいます。名前を呼んであげたり話しかけたりしながらなでてあげましょう。全身をなでてあげることで血流を良くしたり柔軟性を良くしたりすることも期待できます。

認知症による行動の変化

夜の徘徊

夜中に徘徊する子は昼によく寝たり活動量が減ったりと昼夜逆転している傾向があります。
認知症の症状としての徘徊は完全に防ぐことは難しいですが、昼夜逆転の生活リズムを修正してあげることで徘徊を減らすことができます。
対処として、昼間に活動させるということが重要です。昼間に積極的にコミュニケーションを取る、日光浴をさせる、寝ている時間が長かったら優しく起こしてあげる、明るいうちに散歩やおでかけをしっかりして愛犬を疲れさせるといったことが挙げられます。

無駄吠え・夜泣き

吠える行動についてはまず吠える原因を探しましょう。
体調の悪化やケガから吠えるケースもあるので、まずは異常がないかの確認、場合によっては獣医師へ相談してください。分離不安や要求吠えというケースも考えられます。
原因の特定ができない場合は老犬になったことによる吠え行動が考えられます。
具体的には老犬になってわがままになったことによる過剰な要求吠え、視力聴力の衰えから不安になったりする不安行動、認知症からくる吠えなどあり、症状を改善することは難しいですが、吠えてはいけない場面で口輪をする、家で無駄吠え防止グッズの使用をするといったことである程度の対策はとれます。
夜鳴きについては徘徊の対策同様、昼夜逆転の改善が有効な対策となります。
無駄吠えは近隣住民とのトラブルの原因にもなります。愛犬の居住スペースを比較的音が漏れにくい場所に変えるといった措置もできますが、これらの対策で改善が見られない場合は老犬ホームへ預けることを検討してください。

名前を呼んでも反応しない

視力、聴力の低下による認識機能の低下の可能性もあります。
そういった場合は愛犬の視界に入りやすい場所で声をかけたり、大きな声で呼んであげたりしてあげてください。
それでも反応しない場合は認知症で名前を忘れている可能性があります。改善は困難なので、認知症を受け入れて愛犬に接してあげてください。

ぼーっとする 穏やかな顔になる

認知症になると感情があまり出なくなり、ぼーっとしたり穏やかな表情になったりします。
改善は難しいですが、様子を見て 遊んだりスキンシップをとったりとして刺激を与え、症状悪化を防いでいきましょう。

怒る、噛みつく

認知症が原因で怒りやすくなることがあります。
怒る仕草が増えたように見えたら、これが認知症によるものか否かを 獣医師に相談しましょう。
認知症によるものであれば、飼い主であれ急に噛みつくこともあります。いきなり触ったりせずやさしく接してあげましょう。
散歩やお出かけ中に噛みつく危険性がある場合は口輪などをつけて対応しましょう。

しつけたことができない

待て、などのしつけ行動ができなくなるというのは認知症の代表的な症状です。
愛犬も飼い主が何かを指示しているが何を指示しているかわからない状況なので、もししつけ行動ができないことが続いたとしても叱ったりせず、認知症を 受け入れてください。

食事の要求が増える

認知症の行動で食事の過剰要求があります。1回の食事量を減らし回数を増やすなどし、愛犬のストレス軽減を してあげてください。

家具にぶつかる、隙間に挟まる

脳の機能が低下し、うまく動けなくなるケースがあります。家具にぶつかったりする場合は、コーナークッションを使用し愛犬を保護してください。
また、特に危険なのは隙間などに挟まる状況です。犬にとって後ろに下がるという行動は非常に複雑な行動で、認知症が進むと後ろに下がるという行動ができなくなります。
なので、家具の隙間に挟まったりすると動けなくなってしまうことがあります。対策として隙間をタオルなどで埋めるか、ペット用フェンスを使用して隙間に行けないようような環境を作りましょう。
食事の際も壁際で食事をさせないでください。後ろに下がれず動けなくなってしまいます。

同じところをグルグル回る

認知症以外にも前庭障害という脳の障害が疑われます。まず獣医師に相談してください。実際にぐるぐる回っているところをスマートフォンなどの動画で撮って受診をされると診療時の助けにもなります。
家の生活の際は壁や出っ張りにぶつかると動けなくなってしまうことがあるため、丸形のサークルを使用したり、引っかからないよう位置の調整をしてあげてください。